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無料のおもしろネタ画像『デコじろう』用アイコン02 《イタリアの記憶36》・・・初めてのヴァカンス パート4 1986/8   



《海辺の休暇》

翌日の朝、私は普通に目覚め、お母さんと一緒に朝の食卓につきました。
イタリアの朝食は、南も北も同じで、コーヒーとビスケットです。
”朝からエスプレッソのみ”というイタリア人もいますが、エスプレッソに温めた牛乳を入れるケースも多いです。
イタリア語で『CAFFE』はエスプレッソをさします。
牛乳は『LATTE』(ラッテ)です。
日本のカフェにある『カフェラッテ』とはイタリア語な訳です。
(まぁ〜「コーヒー牛乳」という意味なんですが。。。)

私はカフェラッテにビスケットを浸しながら、
「オートラントに日本人は住んでいるの?」と、お母さんに聞いてみました。
お母さんの答えは「日本人はいないわね〜」でした。
・・・だから、みんな私の事が珍しいのかな?

朝食が済んで、さて、何をしよう・・・
ヤケドしたからだをお日様に当てる訳にもいかないし・・・
「古い街並のエリアを散策して来たら?」という、お母さんのアドバイスに目を輝かせ、私は家を出たのです。

そこは、車が通れないくらいの狭い狭い坂道にありました。
途中、階段になっていたかもしれません。
路の両脇には、真っ白な古い建物が並び、ところどころにかわいらしいお店がのぞいています。
どのお店も小さいお店で、ついふらっと立ち寄ってしまいたくなります。

南イタリアの工芸品なのか、とってもキレイな色あいの器が並ぶお店がありました。
中に入ってみると、手頃な大きさのサラダボールが目に入りました。
とてもキレイなグリーンで、手作りのあたたかさを感じるサラダボールでした。
ミラノに持ち帰って使いたいなぁと思い、手にとってみると、私の後ろから『日本人ですか?』と、日本語が聞こえてきました。
「えっ?」と思って振り返ると、後ろには日焼けした東洋系の女性が一人・・・
彼女の名前は”ヒロコさん”そのお店の店主でした。
イタリア人のご主人とドイツで知り合い、今はご主人の故郷であるオートラントで暮らしているとか。
『あなたが○○○さんのところのお客さんなのね』って言われ、
・・・あぁ〜私の存在は、オートラント中の人が知っているんだ、と実感したのでした。

サラダボールを購入し家に帰り、お母さんに『ヒロコさんっていう日本人に会ったよ!』って言ったら、『そう言えばヒロコは日本人だったわね。忘れてた。』ですって。
確かにヒロコさんは、日本語を話さなければ、日本人から見ても日本人には見えなかったかもしれません。

当時、オートラントに暮らす日本人は、ヒロコさん一人だった筈です。
現在は、イタリアのあらゆる地域で日本人と遭遇するので、今はヒロコさん以外にも日本人が暮らしているかもしれませんが。


海辺の休暇は、単調な毎日が続きます。
昼間は海岸で思う存分楽しみ、夕方になると、毎日同じバールでお茶や食前酒を飲み、夜はどこかのパーティに出かけ・・・。
あくせくとした毎日が当たり前になっている私にとっては、海辺の休暇を楽しめるのは1週間が限度でした。
学生の頃は1ヶ月半の夏休みを楽しんでいた筈なのに・・・日本人って忙しくないと不安になっちゃうんでしょうかね・・・?
それでも、真っ黒に日焼けし、『また来年来るね!』と言って、オートラントを後にしたのでした。

《余談①》
ここにはアップ出来ませんが、当時の写真を見ると、本当に真っ黒に日焼けしてるんです。顔までも・・・私もヒロコさん同様、日本人には見えなかったかもしれません(苦笑)
ヴァカンス後半、日本に緊急帰国した際、両親が私を見てビックリしていましたから。

《余談②》
文章前半の”カフェラッテにビスケットを浸して食べる”
これって、ヨーロッパ人は普通なんですが、日本ですると『汚らしいからやめて!』って言われます。
・・・美味しいのに・・・。
フランス人は、バケット(フランスパン)やクロワッサンをコーヒーに浸して食べてるけど、それよりもビスケットの方が断然美味しいと思います!
浸し過ぎると、カップにビスケットが落ちちゃって、確かに汚らしく見えるときもあるけど。
私は、今でも一人の時には、コーヒーにビスケットを浸して食べていま〜す。

by sole-e-luna | 2007-07-23 01:10 | 心に残る風景

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