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無料のおもしろネタ画像『デコじろう』用アイコン02 《イタリアの記憶56》・・・三度目のパリ 1986/10   



《イタリアの記憶》を最初から読んで下さっている皆様は、「えっ?いつの間に三度目のパリ?」と、思うのではないでしょうか?

一度目は、1985年のクリスマスからお正月にかけて。
かなり、ハチャメチャなおもしろ旅行だったので、後ほどかる〜くブログに掲載しようと思っています。

二度目は、翌年1986年3月、日本のブランドのパリコレ見学を兼ねてお手伝いに。

そして、三度目は、1986年10月、やはり日本のブランドのパリコレの為です。
パリへの出発日が決まり、航空券を手配したところ、日本人がフランスに入国する為にはヴィザが必要になったとの連絡が入りました。
それまでは旅行の場合、ヴィザは必要なかったのですが、急遽ヴィザが必要になった理由とは・・・『テロ』


出発までに日にちがなかった為、慌ててミラノのフランス領事館に行ったのです。


そこで、思った事・・・。
領事館員や大使館員は、何故現地の国の言葉を話さないのでしょうか・・・?
フランス語なんて、全く分らないのに、私の話すイタリア語に対し、フランス語で返してくる領事館員。と言う事は、イタリア語を理解しているはずなのに・・・。
そして提出書類も全てフランス語(フゥ〜)
私は書類をアトリエに持ち帰り、イタリア人に記入してもらいました、
そして無事、出発前にヴィザを取得出来たのです。
(イタリア人は弟2語学にフランス語をとっている人が多いのです。また、フランス語とイタリア語は、ラテン語を語源としている為、発音は出来なくても訳す事は出来たりします。私も滞在後半には、多少フランス語を理解することが出来るようになりました)
《イタリアの記憶56》・・・三度目のパリ 1986/10_e0123299_015379.jpg

右にヴィザのスタンプが押してあります。
許可がおりた日数は、たったの6日間。
パリは、本当に厳しい状況だった訳です。
(ちなみに翌年もヴィザを取得しているのですが、90日間でした)


・・・テロ中?のパリのお話は、次回へ続きます・・・





ここで領事館のお話をちょっと・・・
私は、今までヴィザが必要になる国への渡航が殆どなく、行った事があるのは、ミラノのフランス領事館と日本領事館、そして日本のアメリカ大使館だけです。
日本のアメリカ大使館では、書類は英語でしたが、会話は日本語でOKでした。


ミラノの日本領事館での出来事です。
滞在2年目頃、やっと労働許可証がおりた為、「届け出た方がいいのかな?」と思い、ミラノの日本領事館に行ってみました。
そこで、びっくり!
営業時間が短か過ぎるのです。
はっきりとは覚えていませんが、午前中は一時間半位、午後は一時間位しか、窓口があいていないとのこと。
更に、日本の休日(パブリックホリディ)と、イタリアの休日、両方ともに閉館。
一体、年間を通して何時間働いているの???と思いました。
きっと、銀行のように、窓口が閉まった後も、時間まではせっせと働いているのでしょうけど(そう願います)

結局、私の場合、届け出の必要はなかったのですが、丁度、私が領事館を出ようととした時、一人の中年の男性が飛び込んできました。
『スカラ座の前で、ジプシーに囲まれて、気がついたら、パスポートとお財布を盗まれていた』と言うのです。
その方は、その日の夜、日本に帰国しなくてはいけないらしく、航空券は盗まれていないので、パスポートを早急に発行して欲しいとの要望でした。

そこで領事館員が言った事・・・
『日本の運転免許証を持っていますか?持っていないんですね。。。運転免許証は写真も貼ってあり本籍も書いてあるので、再発行の場合、スピーディーに処理出来るのですが、持ってないとなると、あなたが日本人だという証明はありませんから、パスポートの発行は出来ません』

この言葉を聞いて、「確かに確かに」と私も納得しました。
見た目が日本人で、日本語を日本人と同様に話せても、日本人かどうかは分らない。在日の方もそうでしょうし、現在に至っては、ハーフの方も多く、日本で暮らしていても、国籍は違うって事も多いでしょう。

それでも、その男性は、どうにか今日中にパスポートを発行してもらわないと、帰国できない為、免許証提示以外に方法がないかを領事館員に訪ねました。

『では、日本に取引銀行があれば、その銀行のミラノ支社に行って下さい。ミラノ支社から日本に確認を入れてもらい、銀行を保証人として、あなたが日本に住む日本人である事を証明してもらえれば、パスポートの仮発行を致します』
その男性は、銀行のミラノ支社の場所を聞いて、急いで出ていきました。

が、領事館員・・・意地悪です。
銀行の窓口営業時間は決まっています。
その時点で、(銀行の)午前の営業時間は既に終わっていた為、午後の営業時間を待っていたら、今度は日本領事館はクローズしていまいます。
そういった説明は、一切していませんでした。

その男性が、その後どうなったのかは分りませんが、その日にパスポートが発行されなかった事は確かな筈です。
その男性が日本人かどうかは分らないにしても、領事館は、あまり日本人を守ってはくれないんだなぁ、と実感した出来事でした。
ちなみにその領事館員、全く目を見ずに話すのです。ずーっと視線を外して話す姿は???でした。



私は、一度だけ航空券を無くしてしまった事があります。
パリ〜ミラノ間の航空券で、パリに着いてから帰りのチケットをいくら探しても見つからなく、最悪、自腹で夜行電車で帰るしかないな・・・と思っていたのですが、航空会社に電話をしたら、空港内に落ちていた私の航空券を偶然にも航空会社のスタッフが拾ってくれていた事が分り、自腹をきることもなく無事にミラノに戻る事が出来ました。

今までパスポートをなくした事はありませんが、海外で身元を証明する唯一の物!
現在のパスポートは小型化になり、便利な大きさになりましたが、2種類共に、色は赤い方が良いように思います。
何故なら、私は赤いパスポート(以前は赤のみだった)のお陰で、随分と特をしているのです。。。

by sole-e-luna | 2007-10-21 02:22 | 事件

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